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過去の展覧会
谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 ~事実も小説も奇なり~
谷崎潤一郎は「もう少し長生きしたら、ノーベル文学賞を受賞した」と言われ、世界的に評価の高い小説家です。
「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、谷崎はその生涯自体が、まさに波瀾万丈で驚愕のエピソードに満ちています。実生活の出来事は作品に反映され、主要な登場人物は実在した人々をモデルに造形されました。
本展では、小説家・中河與一が谷崎潤一郎の生涯を書いた作品「探美の夜」に添えられた田代光の挿絵(初公開原画数十点)を用いて、谷崎の人生を辿りつつ、谷崎文学の登場人物のモデルになった人々に焦点を当て、紹介していきます。彼等が着用した着物や装飾品の数々も御覧いただきます。
さらに、彼等をモデルとして創作された作品の登場人物の装いを、アンティーク着物で再現しました。谷崎は着物にこだわりの強い作家で、衣裳は登場人物たちのキャラクター表現の一端を担っています。
社会の枠におさまりきらず、世間から非難と好奇の目で見られることも多かった谷崎の、生涯、モデルになった人々、そして悪魔的な文学の魅力を、着物と挿絵で堪能いただきます。
◇着物協力:田中翼アンティーク着物コレクション
【前期】2021年10月2日(土)~11月14日(日)
【後期】2021年11月17日(水)~2022年1月23日(日)
※着物コーディネート約10点を展示替えいたします。
会 期 | 2021年10月2日(土)~2022年1月23日(日) |
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開館時間 | 午前10時30分~午後4時30分(入館は4時までにお願いします) ※新型コロナウイルスの影響により、開館時間が変更になる場合があります。 |
休 館 日 | 月・火曜日・年末年始(12月27日~1月3日) ※11月23日(祝火)、1月10日(祝月)開館 ※新型コロナウイルスの影響により、休館日が変更になる場合があります。 |
料 金 | 一般1000円/大・高生 900円/中・小生500円 (弥生美術館もご覧いただけます) ※入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要です。 |
お知らせ:
入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要です
こちらをご一読頂き、ご予約をお願いいたします。→「ご来館のお客様へのお願い(オンラインによる事前予約 他)」
図録兼用書籍
展覧会にあわせ、図録兼用書籍を刊行します。
『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 事実も小説も奇なり』(東京美術) 2530円(税込)
B5判 120ページ オールカラー
10月12日発売(美術館ショップにて先行販売しています)
https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808712273/
BookCafe&Bar 十誡 × 弥生美術館 タイアップ
銀座にあるBookCafe&Bar 十誡 さんにて
「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物」展に併せ、谷崎潤一郎をイメージしたモクテルが提供されます。(10月末まで)
「陰翳礼讃」
この期間中、弥生美術館・竹久夢二美術館のチラシをお持ちの方は、こちらのカクテルが100円割引になります。
また十誡のフライヤーをお持ちの方は美術館の入館料が100円割引になります。
地獄極楽図 黒留袖 谷崎の初期作品「お艶殺し」や「お才と巳之介」に登場する悪女型ヒロインのモデルになったのは、初という、かつて芸者だった女性。「悪魔主義」と言われる初期の作風を形成するのに重要な影響を与えた初の姿を、粋筋女性が好んだアンティーク着物で再現する。地獄極楽図黒留袖は初公開。 田中翼コレクション/蔵 大橋愛/撮影 『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物』(東京美術刊) |
「細雪」雪子の着物 ヒロイン雪子のモデルは妻・松子の妹重子である。桜と童子が描かれた紫の着物に、やはり桜の樹木が描かれた帯、帯揚げ帯留も桜と、桜尽くしのコーディネート。姉妹四人のキャラクターに合わせ、それぞれの着物を田中翼氏がセレクト。 田中翼コレクション/蔵 大橋愛/撮影 『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物』(東京美術刊) |
「蓼食ふ虫」美佐子の着物 離婚に悩む夫婦の姿を描いた「蓼食ふ虫」の妻・美佐子をイメージした着物。帯には「千一夜物語」の文字が見られるが、作中には、夫・要が英文の「千夜一夜物語」を拾い読みするシーンがある。夫公認のもと、年下の青年とのあいびきに出かけるモダン・マダムには、西洋の都会の夜景を描いた着物が似合う。 田中翼コレクション/蔵 大橋愛/撮影 『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物』(東京美術刊) |
松子夫人が用いた装飾品 「春琴抄」「鍵」などのヒロインのモデルとなった松子夫人が用いた髪飾りや扇、コンパクトケース、懐紙入れなどの遺愛品。贅沢な素材と精巧な技を駆使した装飾品の数々からは「細雪」の世界観をうかがうことができる。 夕顔コレクション/蔵 大橋愛/撮影 『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物』(東京美術刊) |